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肩が痛い患者様へ
- 東京女子医科大学東医療センター整形外科 神戸克明 -
治療からみた原因分類
肩が痛い人で当病院を受診されるかたはたくさんいますが、その原因は大きくわけて3つあります。
まず一つは、腱板といって肩の中のすじに傷がついて、さまざまな疾患をひきおこすものです。その多くはいわゆる五十肩といわれる疾患です。
これは年齢40歳台から70歳台まで幅広く、肩が痛いだけでなくだんだん腕が上がらなくなってくる病気です。軽いものは肩関節周囲炎といって自然に治るものもあります。しかし五十肩を放っておくとだんだん肩痛がひどくなり、しまいには手が頭や顔に届かなくなってしまいます。これを拘縮肩といいます。
今までの治療ですと、注射やリハビリで2年も3年も病院へ通って自然に治ったとされていますが、実はこれは治ったのではなく痛みがとれただけで、肩の動きは悪いまま手も前みたいに上がらずにあきらめてしまっている人がほとんどです。リハビリに十分時間がかけられるかたは別として、普段仕事で忙しいかたは当病院では肩関節鏡を用いて手術を行っております。
これは1cm以下の4箇所の創のみで3日の入院でできます。手術して次の日から腕を動かしリハビリを始めます。全体で3ヶ月の治療期間が必要となりますが、手術後は痛みや肩の動きもとれて大変患者様に喜ばれております。
当病院では、この手術は2003年より50例以上行っており、現在もたくさんいます。
次の原因は、この肩腱板が完全に切れてしまっていたり半分だけ切れて中でひっかかっていたりする疾患があります。これは腱板断裂やインピンジメント症候群といわれています。注射やリハビリをやってもなかなか痛みがとれない人は、肩関節鏡下手術を行っております。
これも小さな創で肩の腱板を縫う方法で、腱板のひっかかる場所の骨を一部削ることもします。この手術は2003年より100例近く行っております。
もう一つは肩の緩みからくる疾患です。電車のつりかわを持つと不安感があったり肩を何度も脱臼したことのある人は、反復性肩関節脱臼といって、リハビリを十分してもやはり肩の中の構造体が壊れていてなかなか治らない場合がほとんどです。また野球でピッチャーとかバレーボールの選手など腕を上にふりあげる動作をする人は、上腕二頭筋腱といって力こぶのすじが肩の中にはいって肩甲骨についているのですが、この場所で剥がれてしまってゆるみがでて痛みの原因となっています。これは投球肩といわれていて、これも当病院では肩関節鏡下手術を行っております。
メジャーリーグテスト選手など、多数のスポーツ選手もみております。 こうした単に肩が痛いといっても色々な原因がありますが、主に肩の痛みの原因は肩甲骨の動きのアンバランスからくるものが多く、リハビリやストレッチなど肩甲骨のまわりの筋肉を十分やわらかくすることで、早期であれば治る可能性があります。さらに肩は首や腰、股関節の硬さから二次的にくるものもあり、股関節のストレッチなども十分やることを推奨します。詳しいことは是非当病院肩関節専門外来を受診してください。
[参考文献]
拘縮肩に対する肩関節鏡視下授動術の治療成績
神戸克明、井上和彦
肩関節 29:677-680,2005.
東京女子医科大学東医療センター整形外科
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