手術について
腹圧性尿失禁をすっきり治すには、やはり手術が一番でしょう。手術というと抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、今は開腹をせず体への負担が軽いTVT手術があり、術後の満足度も高いと言われています。深刻な尿失禁だからといって諦めることはありません!
最近の手術
以前は手術と言うと、保存的治療では十分な効果を得られなかった場合に行うことが多かったのですが、最近では手術のきずも小さく、局所麻酔で行うことができ、効果も非常に高い方法が開発されています。
早く尿もれのないドライな日々を取り戻すために、一つの選択肢として積極的に手術を考えてもよいのではないでしょうか。尿失禁患者の医療機関への受診率は、男女合わせてもまだ3%程度と低い(T.Ueda et al, International of Urology (2000)7, 95-103))そうですが、受診すればきちんと治ることを知って欲しいと思います。
効果の高いTVT手術
TVT手術とは、Tension-free Vaginal Tape手術の略。
方法:
この手術のために開発された特殊なテープを、膣側から尿道にハンモック状にあてて下腹部に引き抜く。このテープが尿道を支えることにより、尿道の過度な移動を防ぎ、尿もれを防ぐ。

長所:
術後の再発率が極めて低く、長期にわたって効果がある。局所麻酔で行う手術のため1泊手術も可能。手術のきずが膣と恥骨上の左右の皮膚に約1cmずつと小さいため、術後の痛みも少ない。

・もれる尿量の多い人

・骨盤底筋体操をいくらやっても効果がない人
・日常では大してもれなくても、尿もれのためにスポーツなどの活動が妨げられている人
手術
名称
TVT手術
(Tension-free Vaginal Tape)
コラーゲン注入法 針式膀胱頚部挙上術(ステイミー法) 筋膜スリング手術
方法 独自に開発された特殊なテープを使い、尿道を支え、尿道の過度な移動を防ぐ。 コラーゲンを尿道の周辺に注入し、尿道を狭める。 尿道のまわりの組織を、糸で釣り上げ、尿道と膀胱の角度を正常にする。 腹直筋筋膜を膀胱頚部にあてて挙上させる。
長所 再発率が5年で15%。長期にわたって効果がある。局所麻酔で行う手術のため1泊手術も可能。手術のきずが小さいため、術後の痛みも少ない 日帰りが可能。メスを使わない手術。局所麻酔で行うため、体への負担が少ない。 切開する部分が小さい。腰椎麻酔で簡単な手術。入院は1週間ほど。 効果が優れており、再発率が低い。自分の腹直筋筋膜を使用するため、異物反応の心配がない。腹圧性尿失禁の中の全てのタイプに対して適応がある。
短所   コラーゲンが体内に吸収され、再発率が高い。 尿道括約筋不全タイプには無効。再発率が5年で40%。 手術のきずがやや大きく、最低約1週間の入院が必要。
手術が向いている人はどんな人?
他にもこんな手術が

近隣の病院を探したい方は、
無料電話相談室を利用すると良いでしょう。


ジョンソン・エンド・ジョンソン

ウィメンズヘルスコールセンター
0120-744-066

日本コンチネンス協会
電話相談窓口(本部事務局)
03-3301-0725

受付:月曜日〜金曜日(祝祭日を除く)10:00〜16:00
(イラスト:乙部成未)