研究設備

組織ファクトリー(T-FACTORY)

細胞シートを含む再生医療等製品は、最終製品の滅菌ができない等の特徴を持つため、法令に基づいた品質管理の下、特別に設計された施設(細胞プロセッシングセンター:CPC)において製造されています。しかし、CPCでの製造工程は訓練を受けた培養技術者による手作業に依存しており、製造コストや大量生産の点で将来的な課題を抱えています。そこで、私たちは現在のCPCに代わりうる新たな再生医療等製品の製造システムである組織ファクトリーの開発を行っております。

組織ファクトリーの中心となる技術は、アイソレータを用いた無菌空間の維持技術と、ファクトリーオートメーションを応用した培養工程の自動化技術です。さらに、各機能をモジュール化し、そのモジュールの組み合わせによって複雑な工程を実現するフレキシブル・モジュラー・プラットフォーム(fMP)を採用することで、細胞単離・初代培養、細胞大量継代培養、細胞シート作製・積層化といった各工程を必要に応じて柔軟に構成できるようになっています。培養容器や培養液などをモジュール間で輸送する搬送(トランスファー)モジュールを中心に、製造プロセスを構成するモジュールを必要に応じ個々に装着・脱着することで、各モジュールを効率的に使用できます(クラスター型システム)。また、個々のモジュールはアイソレータとして独立しており、装着時にモジュール内部を過酸化水素蒸気除染により無菌化することで、多症例の同時生産における交差汚染を除外することができます。

培養装置を臨床(医療産業)で応用するには、各システムが統合された形としての製造設備(ファクトリー)として検討する必要があります。各工程システムが一貫した製造プロセスの一部として成立するために、工程間を接続するインターフェースや品質管理のためのソフトウェア(生産スケジュール管理、原材料・資材・中間品管理、無菌環境維持管理、衛生管理、培養環境監視、等)を並行して開発することで、GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)に適合し、従来設備に比較してコンパクトで大量生産可能なシステムの実現を目指しています。


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スマート治療室(プロトタイプモデル)

「スマート治療室」は、本研究所先端工学外科学分野 村垣善浩教授と岡本淳講師らが、11企業と5大学とAMEDの支援で開発を行っている未来型治療室です。各種医療機器をパッケージ化し、さらにネットワーク化することにより、治療現場、治療支援、管理部門がそれぞれ収集する情報を効果的に連携させ、手術の進行や患者さんの状況をリアルタイムに統合し把握しようとするものです。

治療現場で使用される様々な医療機器は、患者の状態をリアルタイムでモニタリングするもの、患部の状態を診断するもの、治療を行うもの、さらには手術者の動作等を補助・支援するものなど、機器毎に様々な種類の情報を収集・提供しています。

こうした情報は、治療現場外のサポートにも共有されることで治療の精度や安全性が高まることが期待され、さらには、ビッグデータとして管理することでより高度な解析も可能となります。また、保守・管理の面でも、単純な操作ミスの防止やコスト管理に大きなメリットをもたらします。

実際に使用される医療機器は製造者が異なるとそれぞれに仕様も異なり、それらを連携させることは困難です。一方、治療現場よりもはるかに多数・多様な作業機器が存在する工場の現場では、それらを統合的に制御・管理するためにソフトウエアを有効に活用しています。こうしたソフトウエアを、医療機器の連携・接続にも活用することを目指し、治療に及ぼす影響を十分に考慮しながら、医療機器に適用される各種の規制への対応の必要性についても検討を進めています。


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▼ 臨床研究設備(TWIns外に設置)

インテリジェント手術室

インテリジェント手術室はオープンMRI、リアルタイムナビゲーション装置を備えた21世紀の手術室です。術中MRIの多断面・多種類のシーケンスで撮像した画像は、手術操作による脳の変形・移動にも対応し、正確で客観的な術中画像を提供することで手術スタッフを支援します。まさにEvidence based Medicine(EDM)を手術操作に持ち込むことになり、誰にでもわかる医療情報の可視化は、患者・スタッフ双方にadvantageをもたらします。術中に撮像されたMR画像は直ちにナビゲーションシステムに転送され、術者は常に最新の状態に更新されたナビゲーション情報を元に正確に手術を遂行することが可能です。

本研究所先端工学外科学分野では本手術室を用いたより高度で安全な手術の確立のため、撮像装置・プロトコルの最適化・新手法の開発、さらに効果的なナビゲーションシステムの構築などの研究を行っています。また最新の医療情報獲得・可視化設備を備えた本手術室にさらに精密誘導手術用機器・システム(Precision Guided Surgery System)を加えることにより、Advanced-Eye/Handを備えた最先端の手術室を構築する研究も行っています。


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ロボタイズドガンマナイフ

ガンマナイフ(Stereotacitc gamma radiosurgery)は、201個のCo60線源を半円球状に配置し、それぞれから放出されたガンマ線がちょうどその中心に収束されるように設計されており、その収束点のみで高エネルギー放射線を用いた腫瘍焼勺ができるピンポイント放射線治療装置です。本学に導入されているガンマナイフシステムはその位置決めとナビゲーションをロボット・コンピュータ支援により100μmの精度で遂行することが可能であり、非常に安全で効果的な治療を行うことが可能となっています。

本研究所先端工学外科学分野ではこのロボタイズドガンマナイフを用いてさらに安全で効果的な治療システムを構築するための新システム開発を行っています。


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