歯根膜グループ

歯根膜組織には多分化能を有する幹細胞が存在することが示されてきた。我々は歯根膜由来細胞を培養して現在までに温度応答性培養皿を用いて歯根膜シートを作製することに成功し、動物実験においてその有効性を確認してきた。

そこで我々は現在、
1)広範な歯周欠損を実験的にブタに作製し、歯根膜シートの適応の拡大を計るとともに、
2)ヒト臨床応用に向けてセルプロセッシングセンター(CPC)にて作製されたヒト歯根膜シートの有効性と安全性を確認している。
細胞治療を行う上では上記の項目を検討することは必須であり、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に準拠して2009年度中に臨床第一例目を予定している。


ヌードラットに歯周欠損を作製し、細胞シートを移植していない群(左)と移植した群(右)の移植5週後の代表的な組織像。移植群では新生セメント質(白矢印)と周囲骨に直交する歯根膜様組織(黒矢印)が観察されたが、非移植群ではそのような構造物は観察されなかった(Flores et al., 2008)。
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ビーグル犬に歯周欠損を作製し、細胞シートを移植していない群(左)と移植した群(右)の移植6週後の代表的なCT像。細胞シート移植群では著明な歯槽骨の再生が観察され、ネイティブな歯根膜空隙に酷似したレントゲン透過像が歯根周囲に観察された(Iwata et al., 2009)。

新しい移植モデルとしてのブタにおける歯周組織再生療法。昨今の大型動物実験への感情を考慮し、ブタを用いて歯根膜シートの有効性を検討している。左:歯根膜シートを実験的歯周欠損に適応させ、右:骨欠損をリン酸カルシウム顆粒にて充填した。
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ヒト歯根膜組織には多分化能を有する間葉系幹細胞様の細胞集団が存在する。歯根膜由来細胞に適切な分化誘導を行うと、左:アリザリン陽性の骨細胞、中央:オイルレッドO陽性の脂肪組織、右:Ⅱ型コラーゲン陽性の軟骨細胞へと分化することが確認された。
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業績リスト

  • Flores MG,Yashiro R,Washio K,Yamato M,Okano T,Ishikawa I,Periodontal ligament cell sheet promotes periodontal regeneration in athymic rats.J Clin Periodontol.2008;35(12):1066-72.
  • Iwata T,Yamato M,Tsuchioka H,Takagi R,Mukobata S,Washio K,Okano T,Ishikawa I.Periodontal regeneration with multi-layered periodontal ligament-derived cell sheets in a canine model.Biomaterials.2009;30(14):2716-23.
  • Ishikawa I,Iwata T,Washio K,Okano T,Nagasawa T,Iwasaki K,Ando T.Cell sheet engineering and other novel cell-based approaches to periodontal regeneration.Periodontol.(in press).