肺グループ

呼吸器外科手術特有の合併症である気漏の対応は、いまだ不完全であり新規技術の導入などの検討の余地を多く有している。さらに、近年広く施術されている胸腔鏡下手術では従来の開胸手術と異なり、術後胸壁との癒着がきわめて軽微なため気漏が遷延したり、肺切除線近傍での新たな肺嚢胞を原因とする気胸術後再発例が生じるなど、胸膜を補強する処置の開発が急務となっている。

我々のグループは、温度応答性培養皿を用いて作製した細胞シートを用いて、気胸や術中肺気漏を閉鎖する新たな手技の開発している。これまで、健常ボランティアより提供された皮膚および口腔粘膜組織より線維芽細胞を単離して細胞シートを作製し、実験動物を用いた異種的移植に供して、その効果を確認した。また、実際ヒト臨床応用を想定して、凍結保存した線維芽細胞から作製した細胞シートおよび、凍結保存した細胞シートの解析を行った。さらに、細胞シートを肺の表面患部に腹腔鏡手術により低侵襲的に移植するためのデバイスを開発している。


肺用移植デバイス
先端部に細胞シートをのせるプラスチック製のフィルムがあり、手元のダイヤルを回転させるとシャフト内部に丸めて引き込める。逆にフィルムをシャフトから押し出すとフィルム自身の復元力で平らに展開する構造となっている。
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業績リスト

  • Kanzaki M,Yamato M,Yang J,Sekine H,Kouno C,Takagi R,Hatakeyama H,Isaka T,Okano T,Onuki T,Dynamic sealing of lung air leak by the transplantation of tissue engineered cell sheets.Biomaterials.2007;28(29):4294-4302.
  • Kanzaki M,Yamato M,Joseph Y,Sekine H,Takagi R,Isaka T,Okano T,Onuki T.Functional closure of visceral pleural defects by autologous tissue engineered cell sheets.Eur J Cardiothorac Surg.2008;34:864-869.